エンジンはいろいろなものを選ぶことができるが、わが国に輸入されるモデルの場合、世界一良く回るOHVユニットとして名高い、ケント・ユニットである。極めて人気の高いパワーユニットであるが、すでに生産はストップされており、このフレイザー・クラブマンに搭載されるのも、リビルト・エンジンだ。しかしながら、リビルトの際、無鉛ガソリンに対応できるよう、バルブ・シートも代えられており、添加剤などを携帯する必要がないから、有鉛ガソリンがほとんど入手不可能であるわが国での使用には適していると言えよう。


日本の安全基準に合わせ、ヘッドレストが付けられているほか、4点式のシートベルトもELR式とされるなど、日本での使用を考えた、きめ細かい配慮がなされていることも大きな魅力。また、他のセブン・ファミリーと比べ、トランク・スペースが広く採られており、荷物の置き場に困ることもないだろう。純粋なスポーツ・カーでありながら、日常の使用にも不満を感じずに済むのだから、これは、素晴らしいことである。


もちろん、走りの方もハイレベル。特にタイトなコーナーやS字などでは、自慢のロング・トレーニング・アームが威力を発し、姿勢変化の少ない、極めてスムーズなフォームで駆け抜けることができる。各部の造りも丁寧であり、幌の耐候性も文句なし。極めて高い品質と、良心的な低価格を両立させたフレイザー・クラブマンは、ファースト・カーとしても十分に使える車。毎日スポーツできる、手軽で高性能な、スパルタン・スポーツ・カーなのだ。


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